はい、タニス・リーの銀色の恋人を読み終わりましたよっと。 私、恋愛物は大の苦手なんですがね。タニス・リーの本は前に書評かいた『闇の公子』と、『血のごとく赤く』『冬物語』を持っているのですが、三冊とも正当ファンタジー。なので、タニス・リーの書くSFってどんなん? と思って読んだのですが。やっぱり町並みとかの描写にファンタジーの雰囲気がありますな。
あらすじ(ネタバレなし)
ママ、私恋をしたの。彼は歌がとてもうまいのよ。シルヴァーっていうの。髪は炎のような赤。瞳は琥珀の輝き。肌は銀。ロボットなの……
なんだって~!(AA略)そりゃママもびっくりだ。
とまあ、いつもの癖でぼけてしまいましたが。本格SFです。
ううん、女子中高生が読んだらキュン死しそうな話ですな。一人称の本読んだのは久しぶりだけど、感情移入しやすい分、恋愛物と相性いいのかもしれん。 (というか主人公の行動が少々エキセントリックなので(急に泣いたり急に狂ったように笑い出したり)一人称じゃないと電波になるのかもしれん)でも書くの難しいんだよな~ 一人称。
以下ネタバレ【あり】ネタバレ【あり】大事な事なので二回ry
アンハッピーエンドかよ! いやね、中盤でことさらシェイクスピアの「薔薇をどんな名で呼んでも~」というロミオとジュリエット=悲劇の代名詞 のセリフが強調されてるからいやな予感はしてたけどさ。
で、主人公のジェーンが恋したロボットシルヴァー。ロボットに脅威を感じた人間のデモやら、あまりにも人間的すぎるという欠陥やらが原因で、スラムに隠れるのもむなしく彼を作り出した会社に結局処分されてしまうのだが……
スパイ物よく読むせいか、ジェーン達の身の隠し方がヌルく見えてしょうがない(←)
なんで発信機がついてるかも知れない洋服を束にして持ち歩くんですか。「それらしい」のを捨てるんじゃなく、新しいの一着かってほか全部捨てましょうよ。
てか、そもそも友達が近場にいる距離に潜伏するのやめましょうよ。もっと遠くいきましょうよ。
こんなことばかり考えるから恋愛物が苦手なんですねわかります。
しかし、ジェーンの母親の名前デーメータって、どっかで聞いたことあると思ったら、ペルセポネのお母さんか。するとシルヴァー=ハデス ジェーン=ペルセポネ? 最後、シルヴァーの魂(←ここ大事)がテーブルターニング(西洋版こっくりさん)で「また会えますよ」みたいなことを言ってくるんだが、その約束が嘘で無い事の暗喩なのかな?(ペルセポネはハデス=冥界・あの世とこの世を行ったり来たりする)深読みしすぎか。
ていうかこれじゃむしろペルセポネがハデスかっさらってデーメータから逃れて冥界で以下略
(ジェーンは本来の持ち主を半分騙すようにしてシルヴァーを連れ出し、母の手の届かないスラムに逃げる)
あと、設定としてこの世界の金持ちは体型や髪色をその人が一番美しく見えるよう変える薬を飲んでいるんだが、ジェーンが依存していた母親から離れるにつれ、薬の効果が切れ、まさしく自分の色を取り戻していくのがうまいと思った。
それと、ジェーンに「シルヴァーってロボットなんだ」って実感させるのに、直接むき出しの歯車を見せる作者は自キャラに容赦ないなと思った(←)
恒例、以下ぐだぐだな感想。
●面倒見のいいお兄さんは好きですか?
●シルヴァー! 千年の独奏歌歌ってください。
●てか、表紙。ラノベ風じゃねえか。
●ジブリで映画化してくれないかなあ。ジブリの描くこの世界の町並とか、ジェーンの家のウォールペイントとか見てみたい。あ、でもエロシーンあるから年齢制限ry
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