魔物に襲われている街。ロレンスを頭に(と言っても戦力というより士気向上と民達を励ますために近い)戦う聖騎士(対魔族の僧兵)団。どうにか撃破。
次の日の朝、被害の様子見と、人々の慰問をかねてお付きの人と共に建物内部を回るロレンス。そこで妊娠中の女性とその子供の会話が耳に入る。
「お母さん、天井にコロッケがくっついてるよ~」
(コロッケ?)
ロレンスが子供の指差す方を見てみると、天井に魔族の肉片が貼りついていて、今だに魔力を放っていた。肉片浄化後、ロレンスは母親からも魔力が出ている事に気が付く。
母親は魔族の肉片の下にいて、魔力を浴びていた。その影響で胎児が魔族化しているようだ。もし生まれてきたら間違いなく人間の脅威(こういった場合理性はなく人を襲う化け物のようになる)になり、最悪母親も魔族化するかも知れない。防ぐ方法はなく、母親を斬るしかない。戦闘時だったので剣はあるが、さすがにその場で斬る決心はつかず、母子と別れる。
「ひなたぼっこしてきます」
と屋上へ。お付きとノンキな会話をしながらも、内心は動揺しまくっているロレンス。
そのとき、先輩聖職者(ロレンスより年上だが位は下)が屋上に上がってきて、
「『彼女』(←母親のこと)にあったか?」と訊ねてくる。
「ええ。『大変な事』になっているようですけど、それでも昨日魔族に殺されなくてよかったと思いますよ」(←うつぶせで顔あげないまま)
「で、どうしたいんだ?」
「『どうしたい』ですか。ここで私の気持ちを訊かれるとは思いませんでしたよ。今まで選択肢というのは『しなければならない事』と『してはならない事』の二種類しか無いと思っていましたから」(後半軽く涙声)
で、目が覚めたっていう。それからどうしたんだよ、本当に。ロレンスの事だから母親に事の次第を説明した後で自ら斬ってる気がしてならない。