久々に書評……というか相変わらず感想を脈絡無く書き殴ってみる。ネタバレなし
『分解された男』アルフレッド・ベスター著 原題The DEMOLISHED MAN
(ん? デモリッションマン? なんか聞いた事あるな。映画化されてるのか?)
あらすじ
舞台は24世紀。人の心が読めるエスパーがいる未来。計画を練っただけでも心を読まれてしまうため、犯罪が不可能とされる世界で、ライクは商売敵の殺害を決意する。圧倒的に不利な状況で、ライクはどうやって殺人を実行したか? そして完璧に見える犯罪がどうやって暴かれていったのか。そして殺人犯が処される死刑よりも恐ろしい『分解刑』とは……
これはおもしろかった! 図書館で借りたのを帰りのバスで読み終わる→最寄の駅につく→「すいません、本の注文したいんですが……」(気に行った本は読み終わった物でも買う)ぐらい。
刑事物であり、SFであり。ライクが使ったトリックは、普通に推理物に出てきそう。
この作者、『虎よ! 虎よ!』を書いた人か。『虎よ~』のテーマはテレポーテーション、この作品ではテレパシーと、手垢どころか博物館に陳列されるぐらい使い古されたネタなのに、なんでこんなに斬新に見えるんだろう……
たぶんそれらの能力がきちんと話の土台に組み込まれてるからなんだろうな。キャラを特長付けるちょっとした能力じゃなく、きちんとこれがないとお話が成り立たないレベルというか。
あとなんだろう、『水爆入り江』という地名とか『@キンズ(アトキンズ)』『1/4メイン(クォーターメイン)』とかいう人名が巧いと思った。
『水爆入り江』=ああ、現在からこの話の未来までの間に、なんか大きい戦争あったんだな。
『@キンズ』 =未来だから使われる名前の雰囲気が違うんだな
と分かる。
そして相変わらず原稿用紙の使い方の自由っぷりw
こんな風に文字で
図形 をガ
ンガ ン書
くんだよ。面白い。
そういえばこんな感じ↑の事、携帯小説で♪だの★だの平気で使ってる世代がやりそうだけど、まだ見たことないですね。まあ、虎よ~も分解~もきちんとこの表現を使う必要性があってやっているから
(虎よ~=主人公が言葉を色や臭いといった感覚で捕らえる
分解~=エスパー同士の会話で互いに心が読めるため、図形を直接相手の頭に伝えられる)
「面白いなあ、うまいなあ」と思うのであって、ただ無意味にやったら読みづらいだけですがw
以下さらにグダグダな感想
ライクかっこいいよライク。『虎よ! 虎よ!』読んだ時にも思ったけど、この作者が書くヒールな主人公は何でこんなにカッコイイのか。
テイトいいよテイト。なんか勝手に白衣に銀縁眼鏡のイメージが。
遮へいのための歌。そういえば昔ポリンキーのCMソングが耳から離れなくなったなあ
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