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日々あったことを徒然なるままに
続きにPCの中に埋もれていた落書き晒してみる。↓
ほら、絵描きの人が「落書き」っていって黒一色でザキザキ描くじゃないですか。あれの文書バージョンです。 よってとくに山なしオチなし意味もなしです。


「バベルの塔という話を知っていますか?」
 美貌の神官は静かにそう言った。
「人間は、天にまで届く塔をつくり、そこに住もうとした。しかし、その傲慢さに腹をたてた神は、塔を崩し、二度と同じ事ができないよう、人間の言葉を乱した」
 聞いた事がある、応えると、神官は軽く首を傾げた。
「少し、おかしいとおもいませんか? 全知全能の神にとっては、人間が作る塔など小さな蟻塚のような物でしょう。それなのに反応が少々大げさなのでは。それに、完全ではないとはいえ、言語が変わることになって意志の疎通ができなくなれば、ぞくぞく問題がでてくるでしょう」
 そこで神官はいたずらっぽい笑みを浮かべてみせた。
「それに、人間の驕りを正し、自分の力を示すだけならば、もっと簡単な方法があるとおもいますよ。そうですね、私なら完成間近に塔を崩し、そのまま放っておきますね。当然、人間はしばらくすればまた塔を造り始めるでしょう。そうしたら再び完成間際に塔を壊すのです。それを幾度か繰り返せば、人間はそのうち新しい塔をつくる気力などなくなるでしょう」
 おだやかな微笑みには何か毒のような物が含まれていたが、それにも関わらず見とれるほど美しかった。
「私は思うんです――神は人間に恐れを抱いたのではないでしょうか。どうせすぐに崩れると思っていた塔が、次の日には自分の膝元にまで届こうとしていた。自分で作った生き物が、意外と侮れないと気付いたのです。結束した人間の力に、神が恐怖した」
 それは面白い考えですね、と私は言った。人間が力を合わせれば、神をも恐れさせることができる。すごく可能性を感じる話だと思います。
「そうですね」
 そういって彼は笑った。
「そして、その力を誤った方向に使えば、悪魔が吐き気をもよおすような事も簡単にしてのけられるのでしょうね」

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